1【深夜の海で愛を伝える】

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上着を持ってきて正解だった。 波に足を晒されながら、ぼーっと月を眺めていた。 その姿がとても儚くて、綺麗で、……今にも消えてしまいそうで 「こーんなとこに居ったんかいな」 「__…」 「あーあー、体冷たなっとるやん」 抱きしめながら軽い口調でそう言った。 「…?」 首をかしげる姿にほほ笑みかける。 「こーんな綺麗なお月さん見るなら、俺も誘ってくれればええのに、…いけずやなー」 「!」 微笑んだまま、にこやかにそう告げれば彼は慌てながら首を横に振る。 「分かっとるよ、でも次からは起こしてな?」 迷惑とか、そういうのは考えないで 「起きた時1人とか寂しいやろ…?」 俺のわがままって免罪符を与えるから、何でも言ってくれればいいのに。 戸惑ったように俯いてしまった。 「せやから、毎日俺の事起こしてな? 朝一で__の顔見れたら、それだけで俺はシアワセやから」 ふわりと、腕にかけていた上着を__の肩にかける。 そのまま抱き込んで、耳元で囁いた。 「愛しとるよ」 (ずぅっと、君の声がでなくても)
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