-初秋-

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-5- 彼女は亡くなっていた。 彼女の母が丁寧に事のあらましを電話で教えてくれた。 パソコンの前で眠るように息を引き取っていたそうだ。 死因は過労と脱水。 もう1月半ほど前の話だそうだ。 つい先日四十九日が過ぎたそうだ。 彼女が亡くなった日は奇しくも僕が退職した日であった。 彼女の母は、 「こうして娘の友達からたまに連絡があるのよ。 悲しいけど、娘と仲良くしてくれてた子には一言お礼を言いたくて。 娘と仲良くしてくれてありがとうね。」 と最後の方は、涙声になりながらも話してくれた。 僕は驚き悲しみつつも、この一月半ほどのことを思い出しながら、謝罪とお礼を伝え、電話を切った。 切る直前に、彼女の声で 「ありがとう」 と聞こえた気がした。
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