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彼女の、立花さんの、脚。
すごくバランスが良くて、思わず見惚れてしまいそうになるけれど、そんなことは今やどうでもいい。
その脚に着用している、もの。
最初は白いニーハイソックスかと思い、真面目そうな彼女にしては意外なチョイスだなとまで考えて、違うと気付いた。
――――それは、包帯だった。
彼女は両足に真っ白な包帯を膝上辺りにまでぐるぐる巻きにしていた。怪我をしているのだろうか。それにしては軽い足取りだ。だとしたら、何故……?
「どうかしましたか」
立花さんの声に、ハッと我に返る。彼女はじっと僕の目を見つめていた。それがあの夜のハンマー女と重なって見えて、また背中が粟立つのを感じた。
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