第1話 星に願いを。

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 えっ?    えっ。  えっ、えっ……え――っ……。  さっきまで向こうにいたはずの女が、目の前にいるのはなんでだろう。  なんで彼女は僕の目を真っ直ぐに見ているんだろう。  あれれれれ。なんで、どうして、なんでそんな、はず……。 「うれしいなあ。うれしいなあ。うふふ」  大きく見開かれた目。不自然に歪むくちびる。 「ねぇ、きょうは、ほしがきれいだね」 「ね」 「ね?」  女は歯をむき出しにして、笑った。
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