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捜査段階は少し戻ってしまい、徒労感に包まれた捜査本部。
貝塚と増古は本田課長と刑事部長鈴村太志の4人は、立ったまま小さな会議をしていた。
「今後は2組のカップルの捜査に戻るが、どうだろうか? 貝塚君」
白髪交じりの長髪姿の鈴村。見た目的には70を越えたじいさんに見えるが、まだ60を越えていない。老け顔にコンプレックスを持っているものの、自虐的にそれを発言し、部下達は苦笑いのオンパレードになるため、一番付き合いづらい上司ということでつとに有名だ。
「はい。それが一番妥当だと思います」
貝塚は小さな声で答える。眠気を誘う欠伸を堪えるのに必死だった。
「これ以上の失態は許されない。なんとしてもこの事件、解決しなければならない。他に何か気になることがあるならここで言ってほしい」
鈴村は険しい表情でそう促した。
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