第六章 彼との遊戯

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 亮一はただ、黙って扉を閉めることで、カズキの問いに答えた。 「……どうしてなんて、俺の方が知りてぇよ」  どうして、カズキじゃ駄目なのか。  どうして、彰広に対して、これほどの執着を覚えているのか、亮一自身も分からない。  カズキの悲痛な様が、少しも心を高揚させてくれない理由も。    彰広じゃなきゃ、だめだ。  ただ、彰広だけを傷つけて、壊したい。    一体いつから自分はこれほど彰広に縛られていたのだろう。  夢の中の何も映していない金色の猫の瞳が、初めてあった時の彰広の瞳と重なる。 『……おい、お前こんな所で何やってんだ?』  本当は、初めて出会ったあの瞬間に、既に亮一は囚われていたのかもしれない。  瞳に何も映していない、息をのむほど美しい黒猫に。
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