光が導くその先で……

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「え、何? 何? 雅の弟?」  二人のことを見ていた女子生徒たちが集まってくる。 「えーやだ、かわいー」 「何君? 何年生?」 「榊原龍一、小学一年生です!」  元気よく返事をすると、やーんかわいー! と声をかけられ、 「これあげるー」  と、お菓子を渡された。嬉しい。 「えー、雅の弟ちっちゃいねー」 「これぐらい年、離れてると可愛がれるかも。うち、年子だからさー」  きゃぴきゃぴした声が頭上を飛び交う。 「みやびー、これ食べていー?」  渡されたお菓子を、一応姉に確認とってみると、 「あー、いいよ。でも、待って、座ってからね」  教室の中に連れてかれる。手作り感溢れるけれど、教室の中がお祭りの屋台みたいに飾り付けされててわくわくした。駄菓子屋とは聞いていたが、確かに小さなお菓子がたくさん並んでる。 「すごーい、これ、みやびたちがやったの?」 「そうだよ」  言いながら、椅子を持ってくる。 「ちょっとごめん、うちの親来るまで、ここに置いといていい?」  雅がクラスメイトたちに問いかけると、 「いいよー、どうせ客こないし」 「駄菓子屋やっぱりダメだったんじゃね?」 「いいんだよ、残った駄菓子で駄菓子パーティす るのが目的なんだから」  口々にみんなが言う。  みんな、雅と同じ赤いTシャツを着てた。 「みやびー、そのTシャツなにー?」 「ん? ああ、クラスTシャツ。作ったの」 「作ったの!?」 「そー。まあ、実際に作業したのはTシャツ屋の人だけど」  高校生ってすごい。大人だ。お揃いのTシャツってすごいかっこいい。 「とりあえずあんた、母さん来るまでここにいてよ」 「うん」  頷くと、お菓子の袋をあけた。
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