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『最悪な過去があったからこそ、最愛な人が傍にいる』  その事実が俺を苦しめている。  けれど、どうしても彼女だけは手放すことができないんだ。  例え、彼女の気持ちが同情だけであっても、憐れみからくる昔馴染みへの義務感だとしても、それで縛り付けることが出来るのなら、俺は自分の心がどれだけ痛んでも、その痛みから目を背け、彼女の慈愛に甘えることにする。  夢も希望も失くした俺には、もう、彼女しか救いはないのだから――
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