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帰り道の道中。私は一人歩きながらそんな優柔不断な自分に怒りを感じたり……かと思ったら、さっきまでの野村君との会話を思い返して思わずニヤけてしまったり……わりと楽しんでいたのだけれど。
「……………………」
さっきまでの野村君との今日の会話を振り返り、ささやかな幸福感に浸っていた私は、…………そこでふと、歩みが止まる。
「……あ、あれぇ……? 真由ちゃんの話しかしてないや……」
そんな……気付かなくてもいいことに気付いてしまった……。
「……あ、あはははは。なんだ。そーか……」
私は、笑いながらまた歩き始める。
「野村君は……、ただ……最近学校に来なくなった真由ちゃんの話が訊きたかったんだ……」
それ以上考えなくてもいいのに。それ以上言わなくていいのに、私は口に出してしまう……。
「それならそーと、言ってくれればいいのに……。『真由ちゃんに電話して、どうしたのか訊いてくれ』って、そう言ってくれたら私はそれを断れないのに……ねぇ。っていうか、そうしてくれた方が私も真由ちゃんに電話する理由ができて、願ったり叶ったり……みたいな?」
いえいえ、別に哀しくはないですよ。
ええ、別に怒りも悲しみも無いですよぉ、イヤだなぁ……。
まあ……、なぜか足取りがやけに力強くなっちゃってますけどぉ?
どうしてなのか、まるで地面を踏み砕きたいような勢いで歩いていますけど……。
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