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えーと、なんだっけ?
そうそう。私のこの内気な性格を治すために真由ちゃんが私を、わざと孤立させてるのかもって話だっけ?
「……でも、そんなことのために登校拒否までするかな……?」
「する! あいつなら、それくらい思い付きでする!!」
野村君は力説するように、断言するように、そう言い切った。
「……いや。いくら真由ちゃんでもそこまでは……」
「いや、するね! ってか、あいつの君に対する想いは尋常じゃないから! そのおかげで俺は、警察に突き出されたりしたんだぜ!」
「……う」
そうだった……。
そんな事件もあったっけ。
それは、私が初めて野村君に出会った日。
私が珍しく一人でいる時……というか真由ちゃんとお祭りに行って、人混みではぐれてしまい、一人っきりになっちゃって、持ち前の優柔不断さでどうしていいのやら分からなくて、ただただオロオロとすることしかできなかった時に、酔っ払ったおじさん3人組に絡まれて連れて行かれそうになったのを、通りかかった野村君に助けられた。
「やあ、久しぶり。何してるの? その人達お知り合い?」
野村君はそんな風に知り合いを装って、助け舟を出してくれていたのだけれど、鈍い私は当時まだ知り合いではなかった野村君の言葉に対して、「え? え?」と戸惑うことしかできなくて、結局私と彼は知り合いでも何でもないことが酔っ払いのおじさん達にバレて口論になり、あれよあれよという間に乱闘騒ぎになってしまった。
で、野村君があっさりと、そのおじさん達をノックアウトして……。
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