274人が本棚に入れています
本棚に追加
振り向くとそこにいたのは、今俺の脳内で思い浮かべていたその人で。
「柳、瀬?」
突然のことに思考が追い付かず固まっている俺に、柳瀬は柔らかく微笑む。
「やっと……会えた」
「……は?」
何が何だかわからない俺にゆっくりと近づいてくる柳瀬は、あの頃と変わらない愛らしさがあって。
それでいて、七年という年月のせいか、その微笑みには大人の色気というものも感じられて、俺の心臓はドキンドキンっと大きな音を奏で始める。
「ずっと、会いたかったの」
「……俺、に?」
「うん。黒木くんに」
予想外の言葉に、俺は嬉しさよりも戸惑いの方が大きくて。
最初のコメントを投稿しよう!