宇宙に去る

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宇宙飛行士のAさんという男性から聞いた話である。 Aさんは宇宙に長期滞在していた。 そこは国際宇宙ステーションで、地球の周回軌道上にある有人施設だ。 そこで様々な化学実験をおこなうのがAさんの任務だった。 そんな宇宙開発にたずさわる科学者だが、実は人に言えない秘密があった。 Aさんは幽霊が見える霊媒体質だったのだ。 子どもの頃から時々、幽霊に悩まされていた過去がある。 もちろん科学の最先端にあるNASAには言えない。 そんな霊媒体質のAさんが、宇宙ステーションで実験をしていたときのこと。 キューポラという実験施設の天窓から、眼下を流れゆく地球を眺めていた。 「それは何度眺めても感動する光景でした」 青と白のコントラストが目にも鮮やかな地球を見ながら、しばし感動に浸っていたときだ。 窓の外になにかが漂っているのが目に入った。
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