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「…そりゃ、いつもいつも押してもらえずずっと押す側だからね!そりゃ上手くなるよね!ってかたまには、代われよ!」
「あーもうちょい下…そこそこ…」
またもや、華麗にスルーされた。俺はこの時付き合いたての健気だった優を思い出して懐かしんだ。
「りっくん、やっぱり男の人って彼女のお父さんって会うのちょっと恐い?」
「俺は全然平気だよ。どんな人なんだ?家族写真とか見せてよ。」
「ふーん……りっくん喉渇いたー」
「いやいや、話聞けよ!……はいはい、炭酸ジュースですね。買ってきますよー。」
少し嫌味を含んだ言い方で優に言った。
「おっさすが、りっくん。私のことよくわかってるね」
何だか嬉しいような悲しいような…。でも、俺は気が付いた。
俺は…優の心が読み取れる。
押して欲しい足ツボのポイントを一撃で仕留める。今日の気分は炭酸だと察知する。炭酸のお供は…
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