飽くなき欲望の彼方へ

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 突然、教室のドアががらりと景気良く開いた。 「おうお前らぁ! ちゃんと頑張っとるかー?」  そんな大声を張り上げながら入って来たのは、担任の西尾先生だ。 「ん? ちょお待てよ?」  東野が何かを思い出したような声を上げた。 「先生の家って確かお好み焼き屋とちゃうかったっけ? たこ焼きもやってるとかって」  それを聞いた一同が、どっと西尾先生に押し寄せた。 「ほんまですか!? それやったら仕入れとか低コストで頼めるんちゃうん?」 「ついでに修行も出来るんちゃうか?」 「ちっ、気付きおったか……てか、担任はこう言う事に口出しするもんやないやろ? まあ気付いたからには口添えくらいはしたるけど、後は自分らでなんとかせいや」 「はーい♪」 「わーい、やったぁ! 先生大好きー♪」  その光景は、まるで園児に囲まれる幼稚園の先生。(もしくは三年B組のアレ)  さっきまで「担任は役に立たねー」とか言っていた気がするが、みんな非常に現金……もとい、素直だ。
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