大袈裟病

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 「あなたは我等の始祖ウイルス、であるからにして、貴方が消滅してしまうと、我等も死んでしまいます、なので生きてもらっている、というわけなんです、もんの凄く冷静に喋りましたがこれでいいでしょうか…はーーきもちわる」  一体どういうことだ、私が眠っている間に世界はどうなってしまったのだろうか、ここまで淡々と説明されると信じるほかない、とにかくここを出て、うちに帰ろう、だが私がこの世界の王であれば、そう易々とここから出してはくれまい、ここは隙を見て逃げるか。  「ああ…上出来だ、で?私は何をすればいい?」  男は服の内側から銃のようなものを取り出した。  「これは護身用の武器でございます、最近冷静人類がまた勢力をちまちまと増やしておりまして、それはもうヒアリ騒動も鎮火されるほどの騒ぎで、何かと危険もございますから」  冷静人類?それって普通の人間じゃないのか…  「それでは私はこれで…」  男は部屋のドアを開け外に出た、すると何発かの衝撃音のあと、男はドアにもたれながら倒れた、どうやら何者かに撃たれたらしい。  と同時に中へ入ってきたのは布をつなぎ合わせたような服を着た女だ。ひどく呼吸を乱している。 「はぁ…あんた…はぁ…朝食は何を食べる…」  こちらに銃を向ける女、こんな状況でなんだこの質問は、しかし答えなければ私も殺される。  「パンを食べている…」  女は安心したように銃をおろし息を吐いた。  「説明はあとだここから逃げるぞ」  「ちょっと待て、一体どういうことだ」  「お前はただの捕虜、私が助けなかったら一生実験体、これでいいか?」  じゃあさっきの男の言葉は、だとすればこの女が冷静人類というやつか、しかしこの女のいうこともにわかには信じがたい  「さあ早くたちな」  「うごくなああああああああああああ」  当たった場所が甘かったのか、男はいつの間にか部屋に入っていて、女に銃を向けている、それと同様に女も男に銃を向けていた。  「動くとその冷酷な体に弾丸を撃ち絶命させてやるぞ!!」  「あんた状況わかってんの?こっちは二人なんだよ」  女はこちらを向いて軽いウインクをした。  「味方だとおお?王に無礼なことを言いよって!こいつが先程説明した反乱因子、冷静人類です!!まさかここまで侵入しているとは…」    
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