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会社にどうにかたどり着いた頃、頭上の数字は00015になっていた、これが何を意味するのか全くわからないが、とにかく今はまず部長に謝ろう、話はそれからだ。
「おはようございます!遅刻してもうしわ………あれ?」
「お!きたきた、偽りのシンデレラボーイ!」
僕の先輩こと益城さんが、薄ら笑いを浮かべながら肩を組んでくる。
「あの……部長は……」
「あー部長は今日休みだよ、良かったな!」
途端に肩の力が抜ける、本当に助かった。
「でもな、この事はちゃんと報告しといたから」
「え…」
また肩の力がはいる。
「それよりさ~、もっと謝んなきゃな人いるんじゃないの~」
たくさんのデスクが並ぶ中で、植木鉢のすぐ横のデスクを親指でこっそり指さす先輩、そうあの場所は笹川のブースだ。
「酔った勢いでもありゃないぜ~……」
呆れ顔を残しながら、トイレの方へ歩いていく先輩、途中笹川の方を何回もわざとらしく見るのが、何とも先輩らしい。
色んな事がありすぎて忘れていたが、僕は昨日フラれた、しかも酔った勢いで、それにみんなの前で……僕は自分の心配ばかりしていたが、一番迷惑なのは彼女だろう。
なぜなら僕の告白の言葉が
「そんなに好きじゃないけど付き合ってくれ」
だからだ。
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