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「次は~……」
次第に街から離れ、人が次々におりていく、あともう少しだ、あともう少し、向かいのドア付近で立っていた彼女も人が減り、椅子に座る。
まだだ、まだ僕の存在を認識させては駄目だ……
あと4人、3人、2人、……今だ!
「終点……車掌が交代します、しばらくお待ちください」
僕は彼女の真向かいの椅子に座ると、これでもかというぐらいに、目をあわせた、するとカウントがすすんだ、進んだのだ。
奥から車掌が歩いてきたが、僕はそんな事を気にもとめず、彼女にあのセリフを投げかけた。
「あの~…僕の事ちょっといいなって思いました?」
「は?キモ……ってかストーカーですか?」
軽蔑の目を喰らい、呆気にとられた僕を尻目に彼女はおりていった。彼女は電車をおりた後、どこかに電話をかけている、きっと警察だろう……
じゃあ何でこのカウントは進んだのだろう…
「君、大丈夫?」
「え?……」
満身創痍の僕の肩にいかつい手がのった。
「あの~僕でよければ相談のるよ?」
そこには強面の車掌の姿があった。
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