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夕焼け空が帰りだす頃、裏庭にある轆轤(ろくろ)は勝手にまわりだす、誰もいないはずなのに……
僕の爺ちゃんは去年死んだ。焼き物が好きで大体いつもこの時間に、あの轆轤より少し高めの台座に座って、焼き物を作っていたと、確か父は言っていたような気がする。
それが今目の前で回っている。
「父さん!、裏庭の丸い円盤が勝手に回って!」
父はテレビに夢中だった、ちょうどオリンピックの時期というのもあって、最近はテレビの前から離れない。
「んー?吉彦が来たんだろー?ほっとけほっとけー」
父はじいちゃんの事をいつも呼び捨てにしていた。でも何でこの事を知ってるんだろう。
その夜僕はこのことを詳しく聞いてみる事にした。
「父さん……何であの事知ってるの?…」
「あぁ、あれか、ちょうど吉彦が死んでから1ヶ月ぐらいたった時、おふくろが慌てて倉庫から引っ張り出してきて、帰ってきてる!帰ってきてるーってな!……最初はボケちまったのかと思ったけどなぁ…今じゃあれが当たり前だ…」
「じゃあ爺ちゃんはまだあそこにいるんだね!」
「さぁな……お!4回転!すっげぇー!」
父はまたテレビのほうに向き直ると、こちらの事などお構い無しだ。明日また見に行ってみよう、そのときは…
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