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梅子ちゃんはしっかり者で堂々としてて、かわいいけどカッコいい。桜子ちゃんは恥ずかしがり屋さんでおとなしく、引っ込み思案な女の子だ。
多分、俺が頼んでも桜子ちゃんはステージ歩くとか嫌がったと思う。梅子ちゃんが上手く言いくるめたんだろう。
睦月くんは二人の幼馴染で、梅子ちゃんたちと仲良くなった縁で友達になった。俺のモデルやってくれたらよかったのに。
「優ちゃんも幼馴染いなかったかしら。頼んでみたら?」
「いるけど、帝蘭だし」
「いいわよ、他校でも」
「…………え?」
一瞬梅子ちゃんの言葉が理解できなくてパチクリ瞬きを繰り返した。口が半開きになったまましばらく梅子ちゃんを眺めたけど、冗談よ、と訂正が入る様子はない。
「いいんですか?モデル、他校でも」
言葉もない俺の台詞を引き継ぐように右京ちゃんが声を上げた。
母校の文化祭に他校の生徒呼んでいいとか言われたらそりゃ驚く。客ならまだしも、キャストとしてだ。
「文化祭当日にちゃんと参加出来る高校生ならいいんじゃないかしら。しかも帝蘭でしょう?数少ないご近所さんじゃない。先生には私が言っておくわ」
部長殿が爽やかに笑った。頼もしすぎる。
確かに、幼馴染に掛け合った方が楽だし確実な気がする。許可が出るなら願ったりだ。
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