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学校。
配られた新聞と同じくらいの大きさの模造紙に、『わたしたちの街』をテーマにした研究レポートを、それぞれの班ごとに作成する。
次週の参観日に、保護者の前で発表する準備でもあることから、僕らのクラスは、いくつもの授業を割いて取り組んでいた。
僕らの住んでいる街は宿場町だった。江戸時代の旅人が休憩したり宿泊したりするために行き来した場所。お寺や神社がたくさんあるのは、その為なのだそうだ。
家に帰って、夕食の時に話すと、おじいちゃんが「この家は先祖代々からこの地に住んでいて、有力者として村や町を取り仕切っていたんだよ」と教えてくれた。
「それってどんなことするの?」
「この町を守るためならなんでもするんだよ」
「なんでも?」
「ああ、そうだよ。なんでもだ」
確かにこの街には、僕と同じ苗字が沢山あって、今だにたくさんの土地を貸したり、アパートやマンションを所有したりしていた。
「ふうん。何でもやるんだ。うちってすごいんだね」
そう感心すると同時に、僕がクラスの特定の奴らにいじめられている理由も納得がいった。昔から、うちみたいな家柄が妬まれるのは仕方のない事なのかもしれない。
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