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参観日
班の発表は僕がやる事になっていた。いじめっ子の中心人物である柳田くんの指名だった。従うこと以外に選択肢はない。断れば、柳田君の取り巻き5人に、また嫌がらせを受けることは目に見えているからだ。
上履きを隠されたり、椅子に画鋲を仕掛けられたりするぐらいならまだいいほうで、最近は、女子が着替え中の教室に押し込まれたり、落ちたら確実に怪我をしそうな川の橋の欄干を歩かされたりと、段々悪質になってきていた。
──はい。それでは1班から発表することにしましょう。
担任の藤村はるこ先生の号令によって、僕達1班が席を立った。
今日はクラスみんなの親達がたくさん教室に集まっている。柳田君たちが、僕に恥をかかすには絶好の機会だった。きっと何か仕掛けているはずだ。
班の人が黒板に模造紙を貼り付け出した。その間に、僕が予め作っておいた原稿を机から取り出す事になっていた。
ちらっと、教室の後ろに並んだ保護者に目をやると、真ん中を陣取った僕の家族の姿があった。
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