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一つの皿に御飯を盛り、出来上がったカレーを掛ける。
鍋に残っているカレーに、刻んだ毒物を入れよくかき混ぜる。
溶けきったところでもう一つの皿に御飯を盛り、毒物入りカレーを上から掛けた。
見た目には全くわからない。
「で、出来たよ。
食べよう」
妻の前に湯気の立ったカレーライスを置き、自分の席の前にも置いて目を合わさずに座った。
「美味しそうじゃない」
「だ、だろ?」
二人同時にスプーンを手に取る。
「いただきます」
私だけがスプーンを持って料理に向かって合掌する。
妻はスプーンを右手でカレーに突っ込みながら、左手では携帯電話を弄っている。
そんな余裕を見せてられるのも今のうちだけだ。
苦しめ、泣き叫べ!
心の中で念じながら、二人同時にカレーの乗ったスプーンを口の中へ。
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