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再確認してくれなくてもわかる。 だって、それをデコってメールで送ったのはあたしだもん。 「Mは彼女のイニシャル、そうなるとNは……」 そんな課長の声に奥さんの手が震え始めた。 「これは立派な詐欺罪が適応されます」 まるで裁判所にでもいるような雰囲気に、あたしも奥さんもびくっと体を揺らした。 ってか、サギ……? 「なななっ、そんなっ、だってこの女にたぶらかされたって、だから……」 「えぇ、分かっています。があなたも立派に被害者です。ですが、彼女はさらに被害者だと言うことも理解していたはだけますよね?」 さっきまで激昂して真っ赤だった奥さんの顔が、みるみる青ざめていく。 「穂積さん」 「はっ、はい!」 「あなたは彼を訴えますか?」 「え?」
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