955人が本棚に入れています
本棚に追加
3
「まあ、まるで昼メロのような修羅場だったのね。残念だわ、その場に居合わせることご出来なかったなんて」
翌日、ランチタイムにみやびちゃんにことの顛末とやらを話すと、心底残念そうにこう言われた。
「かなりしんどかったんだから」
「その割にはすっきりした顔ねぇ」
確かに、あたしはそれほど落ち込まなかった。むしろ、清々しいと言ったほうがいいかもしれない。
「で、課長さんの『貸し』ってなんだったの?」
「うーん、それが……」
こっちは裸見られるくらい恥ずかしい痴態を晒してるから、朝だって顔を合わせられないくらいだったのに。
「穂積さん」
「はっ、はい! おおおおおはようごさいますっ」
「おはようございます。昨日の資料ですが、こことここが重複してます。訂正して最提出おねがいします」
「……はぁ」
と、こんな感じでいつもと変わらなかった。
最初のコメントを投稿しよう!