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ノブ君、じゃなかった。 えーと、元カレの奥さんとの話、だよね? そうだ、そういえば──。 「あのっ、先日は助けてくれてありがとうございました!」 みやびちゃんとの話を思い出して、あたしは藤堂課長にお礼をやっと言うことができた。 「……あれから、何もありませんか?」 「それは勿論! スマホのメモリからはきれいさっぱり消しましたし、あの名刺もシュレッダーでスッキリです!」 そう言うと、藤堂課長は少し驚くように目を開いて、それからクスリと笑った。 「これからはつまらない男には引っかからないようにね」 ぽんっと、あたしの頭に置かれる手。その手は大きくて……。
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