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「穂積さん、ここの計算が間違ってます」 「え? あたしちゃんとチェックしてっ」 「ここ、2重に加算されてるようですね。もう一度やり直してください」 「…はい」 あの、『頭ポン』は幻かと思うくらい通常営業です。 「お前、よくあの課長に反論出来るな?」 席に戻るなり、となりの東君にそう言われた。 「だってちゃんとチェックしたし」 「でもお前のミスだったろ? あの課長の方が間違ってるなんてありえないし」 「……」 全くもってその通りなんだけど、あたしは自分の力を信じたいっていうか……。 「あの人に笑顔で褒められる、なんて日、来んのかな? いや、そもそも笑顔が想像出来ないよな?」 「え? そんなこと……」
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