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「駄目です、と先ほどお断りしたでしょう?」
すると後ろから藤堂課長の腕が伸びてきて、あたしを体ごと引っぱった。
そのまま、あたしの身体は藤堂課長の身体にとんっとぶつかる。
瞬間、課長のまとう香りがあたしを包んで……。
「ケチだな、藤堂」
「ご自分で部下を育てなさい。帰りますよ」
「はっ、はい!」
こんなの、初めてだ。
背筋がゾクゾクして、体中がゾワゾワして熱くなって、勝手に心臓の鼓動が速くなる。
もう、病気みたい──。
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