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「お前ね、上げて落とすとか可愛そうだろ? 今日は褒めに褒めてやれよ。いや、俺は上手く行ったと思うぞ? 半分は穂積ちゃんのお手柄だ!」 わしっと緒方課長があたしの頭を撫でてくれて、あたしは「あ、ありがとうございます」とお礼を口にした。 こんなに褒めてもらえるなんて、いままでなかったからめっちゃこそばゆい。 「あ、そうだ。今度俺の仕事のアシやってくんない? こんな冷血人間の下にいても楽しくないだろ?」 「や、そんな……」 こんなストレートに自分を必要だって言ってもらえるなんて、めちゃくちゃ照れてしまう。 「あー、どうせならうちの課に移動するか?」 「──え?」 思いがけない言葉に顔を上げた瞬間、あたしのヒールがタイルの溝に嵌って──。 「あ」
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