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「どうせならもっと楽しい話しようぜ? あ、お前こっちに来て何人に告られた?」
「……それが楽しい話ですか?」
「いや、ただの俺の興味」
ニカッと笑う緒方課長に、周りもつられて笑ってまた雰囲気が変わった。
そんな明るい雰囲気とは裏腹に、あたしの心は荒んだまま。
緒方課長は会ったことあるのかぁ。
どんな人だったんだろう?
心のどこかで、あの指輪は虫よけのためにしてて、結婚してるんて嘘かもしれない、なんて思ってた。
都合の良いあたしの妄想。
だけど彼女はちゃんと存在して、課長は結婚してる。
分かりきってるのに、なんであたしはまだ課長が好きでたまらないんだろう?
諦めなきゃ、誰にも気づかれないうちに諦めてこの恋を終わりにしなきゃーー。
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