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「私が彼女の家を知ってます。送りましょう」
その声に見上げると藤堂課長の顔があったんだけど、上を向いた反動で後ろに倒れそうになってーー。
「あ」
「あ、ではありません。こんなになるまで飲むなんて」
あたしは倒れることなかったけど、課長の声がすぐ耳元で聞こえて背筋がぞくっとした。
課長の手が添えられた背中から熱が生まれる。
「ほら、帰りますよ」
「はーい」
酔ってるのをいいことに、あたしは甘えるような声を出した。
「カバンは持ってますか? タクシー拾いますけど、気分は大丈夫ですか?」
「大丈夫でーす!」
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