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夜の街を通り抜けて、住宅街へ。
タクシーは少し大きめのマンションの前で泊まった。
「降りて」
言われるまま降りて、課長に手を引かれたままマンションに入る。
オートロックのそれはあたしが住んでるマンションより遥かに高級だ。
課長が鍵を開けて、あたしに振り返った。
「考え直すならここで帰りなさい。さっきのことはなかったことにーー」
「嫌っ」
そう言って課長の腕にしがみつくとドアが開いて、次の瞬間、あたしは玄関の壁に押し付けられ、キスされてた。
「ーーんっ」
いつもの課長からは想像できない。
噛み付くようなキスに息をすることすら忘れてた。
侵入してくる舌を素直に迎えると、あたしの舌は絡め取られて翻弄されてしまう。
歯列をなぞられて、口内を侵されて、キスだけでイきそう……。
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