6

22/33
前へ
/33ページ
次へ
夜の街を通り抜けて、住宅街へ。 タクシーは少し大きめのマンションの前で泊まった。 「降りて」 言われるまま降りて、課長に手を引かれたままマンションに入る。 オートロックのそれはあたしが住んでるマンションより遥かに高級だ。 課長が鍵を開けて、あたしに振り返った。 「考え直すならここで帰りなさい。さっきのことはなかったことにーー」 「嫌っ」 そう言って課長の腕にしがみつくとドアが開いて、次の瞬間、あたしは玄関の壁に押し付けられ、キスされてた。 「ーーんっ」 いつもの課長からは想像できない。 噛み付くようなキスに息をすることすら忘れてた。 侵入してくる舌を素直に迎えると、あたしの舌は絡め取られて翻弄されてしまう。 歯列をなぞられて、口内を侵されて、キスだけでイきそう……。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

616人が本棚に入れています
本棚に追加