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課長はあたしの口内を堪能したのか、唇をそっと離した。 玄関はきっと人を感知して点灯するのだろう。 明るい照明の下、はっきりと分かる課長の舌とあたしのそれにつながる銀の糸。 それが名残惜しそうにぷつんと切れた。 「もっと……」 キスしたい。 もっと、繋がりたい。 切れた糸をまたつなぐために、もう一度キス。 お互いアルコールをまとった唇は、あたしの思考を一層酔わせてくれる。 与えられるものが受け止めきれなくて、あたしの口の端から溢れると、彼の舌がつーっとそれをすくって舐めあげる。 ゾクゾクする。 キスが、こんなに気持ちいいなんて知らなかった。
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