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心が『もっと』って叫んでる。
あの夜、自分のことを『俺』と言った課長。
あのときはきっと素だったんだろう。
課長の声、指先、息遣い、あの夜のすべてが今でもあたしをゾクゾクさせる。
もっと課長のことが知りたい。
もっと『真由』って呼んでほしい。
もっとあたしに触れて壊れるまでめちゃくちゃにしてほしいーー。
「……止めよう」
あたしはすっと立ち上がって窓の外を見た。
今日は土曜日で、すごくいい天気だ。
「うん、止めた」
あたしは目の端に残った涙を拭って、フォトフレームをあったように倒した。
課長に言われたように『よく考えた』。
絶対にあたしは昨日のことを忘れられない。
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