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「そういえば好きな食べ物とか、全然知らないじゃん」
考えてみると、本当に何も知らない。
誕生日も知らなければ血液型も知らない。
「ま、いっか」
それでも好きだと思えるのはどうしてなんだろう?
一体どこにこんなにも惹かれてるんだろう?
顔? まぁ、確かに好みの顔ではあるけど初対面のときは全然ときめきなんて無かった。
あのときはノブ君と付き合ってたって言うのもあったけどーー。
「あ、名前違うんだっけ? ……なんて名前だった?」
薄情なのか尻軽なのか、もう彼の本当の名前も思い出せない。
でも、もうそんなことはどうでもいい。
「うーん、ケチャップあるかな?」
そうつぶやきながら、あたしはかごの中にケチャップも放り込んだ。
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