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「とりあえずはフライパンからですね。どこにあります? えーっと出来ればボールとかお玉とかも欲しいんですけど」 「それでいいんですか? 穂積さん」 ダンボールに手をかけようとした瞬間、そう言われてあたしは止まってしまった。 課長は、まだ迷ってるのかな? それともあたしとこうなったことを後悔してる? 「あまり整理整頓は上手では無いですけど」 でもあたしは後悔なんてしたくないから、振り返ってそう答えた。 あたしの答えに、課長は少し困ったような、それでいて悲しそうな表情を見せたけど、すぐに苦い笑いを浮かべる。 「台所用品はここです。必要なものを出してください。あと、ミルクもありませんよ?」 そんな課長にあたしも「買ってきました!」とみせると、課長は「流石ですね」と笑った。
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