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段ボールの中からフライパンを筆頭に、とりあえず必要最低限のものを取り出した。 「ちゃんと炊飯器もあって助かりました」 「……バカにしてますね?」 「してないです。でもいくらなんでもこれっくらいもう出してもいいと思うんですよね」 そう言いながらあたしは出来上がったものをお皿によそった。 「忙しかったので。ところでそれは――」 「オムライスです。ってか、よく栄養失調で倒れませんでしたね?」 「倒れる暇もありませんから」 課長の言葉に笑うと、課長はあたしからお皿を受け取ってテーブルに置いてくれた。 「さ、食べましょう。フツーのオムライスですけど、コンビニよりマシだと思うので」 「匂いで分かります。とても美味しそうだ」 あぁ、いいな、この感じ。すごく幸せだ。
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