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二人で「いただきます」と言ってスプーンを手にする。 あたしはそれを口に運ぶ課長をじっと見つめた。 すると、寸前で課長の手が止まる。 「……毒でも入れました?」 「愛情はたっぷり入れました」 あたしの答えに課長は少し困ったような、はにかむような微妙な笑みを浮かべてオムライスを口に入れた。 「うん、美味しいです」 「ホント? それならまた作る! 何が食べたですか? 今日は調味料とか考えて簡単だったけど、あたし結構なんでもつくれるんですよ? あ、そうなったら調味料をそろえなきゃ、とりあえずお出汁も――」 そこまで言いかけて、気が付いた。 そこまでしたらダメ。 よく考えたら、あたしってまだここに居て大丈夫?
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