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会社に行けばアキさんに会える。
なのに、なんで足取りは重いんだろう。
口を開けばため息だってこぼれてしまう。
始業時間ギリギリにオフィスに入ると、当然アキさんは席についてもう仕事をしてた。
「お、遅刻か?」
「間に合ってるし」
「月曜日の朝ってテンション上がんねぇよな?」
「一緒にしないでよ」
東君とのくだらない会話に気持ちを紛らせて、あたしはパソコンを立ち上げた。
月曜日の朝イチは営業会議だ。
それにあたしみたいなアシスタントは参加しない。
アキさんの姿が見えなくてため息をついて、声が聞こえてはビクッと体を揺らし、その姿を見つけては隠れるように目を逸らす。
って、あたし何してるんだろう?
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