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「やっ、そんな! まだバスもありますし」 「俺の仕事させて残業してるのに、送らなかったら藤堂に怒られるって。それ飲み終わったら喫煙室来て。送るから」 「おっ、緒方課長?」 名前を呼んだけど、緒方課長はもう廊下でアイコス咥えて手をひらひらさせてる。 ここで緒方課長を無視してバスで家に帰る、なんてことは出来るはずもなくあたしはいちごヨーグルトを飲むことにした。 「お、穂積ちゃん、帰るか」 飲み終わってパソコンも落として喫煙室に行くと、緒方課長はあたしに気がついてタバコを捨てて出てきた。 「で、家ってどのあたり?」 「うちは──」 緒方課長の車はタイヤの大きな車だった。車に詳しくないあたしだけど、多分高いんだろうってことくらい分かる。
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