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「にしても頑張ってるな、最近」 「そ、うですかね?」 褒められると嬉しくて、勝手に顔が笑ってしまう。 「おう、もっと素直に喜んでいいぞ?」 そう言って、緒方課長はあたしの頭をガシガシ撫でた。 まるで子供扱い、なんだけど藤堂課長もよく頭を撫でて子供扱いするよね。 ──もしかして、子供がいるの? 浮かんできた考えに、どくんと心臓が嫌な音を立てる。 「藤堂も褒めてたぞ? ま、センスってやつは教えられてどうこうなるってもんじゃないから、穂積ちゃんの実力が発揮出来てるってことだ」 だって結婚してるんだもの、子供がいたっておかしくない。 むしろ、子供がいるから奥さんはこっちに来なくて、藤堂課長は単身赴任? もしかしたら子供が小さくて奥さんはこっちに来る余裕が無いのかも?
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