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そしてまた月曜日がやってくる。
アキさんはこの間内定した大きな契約のすり合わせとかで、殆どあたしの話しかけることはない。
藤堂課長から与えられる仕事も雑用ばかりで、残業するほどのものもなくあたしは定時で帰ることに。
「あれ? 穂積ちゃん、もう帰るの?」
その時、声をかけてきたのは緒方課長だった。
「あ、お疲れ様です。えと、とりあえず山は越したみたいなので」
あたしの答えに緒方課長が大きく目を見開いた。なに?
「なら俺の仕事手伝ってくんない?」
「え?」と驚いているのに、緒方課長は「そうだ、そうしよう!」と自己完結するようなセリフを口にした。
「ちょうどさ、俺のアシがインフルとかで全然使えなくてさ」
「インフルエンザ、ですか?」
こんな時期なのに珍しい。
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