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「ちゃんと、ご飯は食べてますか?」
藤堂課長の手が、頬に伸びてきてびくっと体が震えてしまった。
「た、食べてっ」
「ずいぶん痩せましたね」
「ダ、ダイエットですっ」
「真由にそんな必要はありませんよ」
「――っ」
なんで? どうしてそんなこと言うの?
「あのっ、仕事の話じゃないならあたしっ」
「緒方課長と仲良く話してるだけでイライラしました」
「……え?」
「ついアシスタントの前田さんを『穂積さん』と呼んでしまって、彼女の機嫌を取らなきゃいけなかったりで散々でした」
「あ、それで……」
そこまで口にして、あたしは自分の口を両手でふさいだ。
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