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「東君、この報告書はどういうことですか?」 割って入ってきた藤堂課長の声に、あたしも東君もびくっと肩を震わせてしまった。 「え? あ、一体どこが――」 そう言いながら課長の席に歩いていく東君の背中を見て、あたしはホッと息を吐き出した。 その日、あたしは藤堂課長とあいさつ以上交わす言葉はなかった。 仕事も通常業務をこなすだけで、定時で会社を後にした。 だからってどこに行く予定もなくまっすぐ家に帰って、荒れ放題の部屋の有様にため息をついた。
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