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何度も幸せの絶頂を味わって眠りに落ちた。
遠くから聞こえる携帯の電子音。
それを聞きたくなくてアキさんの胸に顔を埋める。
だけどそれは鳴り止まなくて、もそりとアキさんの腕が伸びるのが分かって、あたしも薄く目を開けた。
「え? 7時!」
「……ん?」
飛び起きるアキさんにあたしも身体を起こそうとしたんだけど……。
「起きなさい、真由! 遅刻します!」
「……えと」
「早く! 着替えに帰るのは無理ですが、ここから一緒に車なら間に合」
「今日はお休みします、藤堂課長」
「……はい?」
「あの、腰がグラグラっていうか、力が入りません。無理です」
「……」
「休みます、課長」
「……私の責任、ですね」
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