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「君のことだからそろそろお腹も空いたのでは? あぁ、でもその顔では外食も難しいですね」
確かにお腹も空いてる。だけど……。
「アキさんも、足りてないです」
小さくそう言うと、アキさんは一瞬笑うのを止めたのに、今度は声を出して笑った。
「なら、どちらも満たしてあげます」
そして、あたしは久々にアキさんのマンションに入った。
「えと、お邪魔します」
「どうぞ。何かデリバリーを頼みましょう。ポストに入っていたので何でも好きなものを頼んでください」
渡されたのはちらしメニューで、あたしはそこからテキトーにチョイスして電話もした。
「アルコールは?」
「アキさんが飲むなら」
「送らないと行けないでしょう?」
「タクシーで帰るから、それなら一緒に飲める?」
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