1674人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「ちょうどスマホいじってたんです」
変な言い訳にアキさんはやっぱり笑ってる。
「もしかしてまだお仕事ですか?」
遅れる時には連絡って言ってたから、そう聞くと「今、家です」と返されてあたしは思わずニンマリしてしまった。
「着替えたらそちらに向かいますから、もう少し待っててください」
「はいっ!」と元気よく答えすぎて、気付けば店内の視線を集めてしまい、あたしは恥ずかしくて身体を丸めた。
それでも、もう少しでアキさんが来るという状況に、自然と頬の筋肉が緩んでしまう。
あ、メイクよれてないかな? と鏡を出して最終チェック。
うん、完璧。
考えてみれば、ふたりでご飯は何度もあるけど、ふたりでお出かけなんて初めてだ。
そんなことを考えてると、鏡の中のあたしがますますニヤけていくのが分かった。
最初のコメントを投稿しよう!