君と見る花火

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市電で向かったけど、やっぱり人は多いし市電自体がなかなか前に進めない。 それでもなんとか待ち合わせした、アキさんちの近くのカフェに着いてあたしはコーヒーを頼んだ。 同じ店内でパンも作ってるからいい匂いがしてつられてしまう。 結局、誘惑に負けてスコーンも一緒に頼んだ。 大通りから少し中に入ったところにあるから、歩いてる人もそれ程多くない。 スマホをテーブルに置いて、アキさんからの連絡を待った。 待ち合わせなんて、まるでデートだ。 いや、間違いなくデートなんだけど、待ってる時間だってウキウキしてしまう。 「あ、アキさん?」 コールするよりも早く、画面が光った瞬間に取ってそう言うと、「早いですね」と少し呆れるようなアキさんの声が聞こえてきた。
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