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二人は玄室で、重ねた手を下ろした。
「……ナルディ……ありがとう」
「アフメス王子……私……生きてますね」
「もちろん」
「王子っ!」
ナルディはアフメスに抱きついた。
「あっ……く苦しい……ッ」
アフメスは急に胸を抑えてしゃがみこんだ。
「えっ?どうしたんですか!大丈夫ですか!」
「ナルディ……お願いがある!」
「何ですか!どうして欲しいんですか?」
「……王子って、呼ばないで……っ」
「え!何言って……?こんな時に!」
「お願い!」
「…もう、分かりましたから、」
「じゃ、約束だよ?」
アフメスは舌を出してさっさと歩いて行った。
「!……王……じゃないアフメス!待って!」
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