10 少年たちのミッション

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二人は玄室で、重ねた手を下ろした。 「……ナルディ……ありがとう」 「アフメス王子……私……生きてますね」 「もちろん」 「王子っ!」 ナルディはアフメスに抱きついた。 「あっ……く苦しい……ッ」 アフメスは急に胸を抑えてしゃがみこんだ。 「えっ?どうしたんですか!大丈夫ですか!」 「ナルディ……お願いがある!」 「何ですか!どうして欲しいんですか?」 「……王子って、呼ばないで……っ」 「え!何言って……?こんな時に!」 「お願い!」 「…もう、分かりましたから、」 「じゃ、約束だよ?」 アフメスは舌を出してさっさと歩いて行った。 「!……王……じゃないアフメス!待って!」
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