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「嫌!絶対に嫌よ」
「フェルキア様……」
隣室の水場で、フェルキアと侍女は持たれ合っている。
侍女は考えを巡らせた。
「もし……もしもですよ、すぐにでもラタルナ様と過ごすことが出来れば……早産であったとして、ギリギリラタルナ様の子とする事が出来るでしょうか…?」
「!?」
「フェルキア様、この意味が分かりますか?」
「でも、それでは……申し訳ないわ。ラタルナ様を騙す事になる」
「ですが、それ以外の方法がありますでしょうか?」
「……」
「どうしてもおろさないと仰るのなら、それ以外に取る道はありません」
「……」
「今夜、ラタルナ様の部屋をお訪ねしましょう。このひと月、お断りし続けてきたのですから」
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