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ルーヤの部屋
床に敷かれた寝具に、ティアリが眠っている
神官は、窓から遠くを眺めている
「失礼します!……あの、神官様、お話が……」
アフメスは違和感を感じた。
漂う空気、神官の表情、床に眠っているティアリ。
机の上の、書きかけの写経に外されたペンダント……部屋の中の全てに違和感があった。
「アフメス殿。ナルディ……あなたたちが来るような気がしていました……」
「神官様!大変なことになったんです。王宮で……」
アフメスは言葉に詰まった。
ティアリが目を開けたからだ。
「あ……アフメス。私、どうしてここで寝てたのかしら……」
「姉さん!大丈夫?良かった。気が付いて……」
「確か、アフメスを探して、王家の谷へ行ったんだったわ……それで……あなた、誰?」
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